「じぇ…ぃど…ごめんな…さぃ。」

夢を見た。
鼻水と涙を一緒に垂らした
汚らしいあの子の夢を。

午後。その子会いに行った。
汚らしいあの子が
もう2度と夢に出てこないように
もう見たくも無い幻影を
記憶からかき消すために。

「ジェイドッ!来てくれたのですか?!」
「勘違いしないでください。六神将のことを聞きにきたまでです。」
「…そうですか…でも貴方が私のところに来たことには変わりありません。」

無垢な笑みがめがねの奥からあふれ出ていた。
あの鼻たれ小僧は何も変わってはいなかった。

牢を空けた。ジメジメした汚い空間。
汚らしい子にはお似合いな気がする。

「ジェイド?」

その白い顔は自分の手によって赤くはれ上がった。

「じぇいど…なにするんですかっ?!」

何も変わらないこの子に苛立ちを覚えた。
だから殴り、蹴飛ばした。
ただの暴虐。八つ当たり。ただそれだけ。
満足するまで…ずっと。

なかしたい。ないてほしい、ぼくだけのために

夢のように私にすがるあの子を…

気がつけば彼は意識を失っていた。
兵を呼び、治療者を呼ぶように伝えた。
汚らしいこの子は夢のように鼻水と涙をいっしょに流していた。
汚い。でも…
望んでいる彼じゃない。
夢の中の彼が消えない。
いつになったら消える?

消える意識の中で、汚らしい子がポツリとつぶやいた。

「じぇいど……あいしています…。」

かれた声が、汚い声が、自分の頭によぎった。
あぁ…こういうことか。
夢の少年は綺麗に消えた。
消えた瞬間私は彼をだきしめた。

「         」

汚らしい、鼻たれ坊主は
安心したように、夢の中へ消えていった。




なかせたかったあのこはあいくるしいほどのはなたれだった。





お題はこちらから拝借