なんで敵になったかはわからない。
ただ目的に、夢に一番近いルートでいきてきたら
貴方はいつの間にか違う道を選んでいた。
私の計画を邪魔する、まるで警察と泥棒のような関係に
私と貴方はなっていた。
わたしはただ、貴方が目指したあの約束を
私がけなげに実行しているだけなのに。
なのに…あなたはそれを邪魔する。
「何故ですか…。」
「意味がないからですよ…。」
湿気の強いこと地下牢に2つの鼓動がこだました。
将来また交わるであろうなかった鼓動が
この陰湿な空間の中で1つになった。
「じぇいど…?」
「確かにレプリカさえ作れば彼女はまた再び私たちの元へ現れます。
しかし中身は空っぽです。それでも貴方は【先生】と呼びますか?」
「それでも私たちの目的は果たされます!!」
1つの潤んだ声が強く響く。
もう1つの冷酷な声は弱く響く。
対立しあう鼓動。声が交じり合っても
気持ちは交じり合うことはない。
悲しい空間。
それでもお互いを主張しあう。
「私が死んだら…またあなたは同じようなことをするのですか?」
「作ります!私は貴方を失いたくない!」
「…それが貴方と私との【大切な記憶】をもたないただの人形だとしても?」
「?!」
声が止まった。
レプリカの欠点は記憶がないこと。
初期のままだとただの人形であること。
それは痛いほどの弱点。
ならもし私が【貴方】をつくっても…
その【貴方】は私のことをしらないのですね。
初めて【サフィール】と呼んでくれたことも
初めて私のために笑ってくれたことも、スベテ…。
なかったことになってしまうのですね…。
「そんなの嫌です…。」
心の奥で枯れていた花がまだ生きたいと根をつけ始めた。
違う。外見だけで貴方を好きになったんじゃない。
貴方そのものに私は惹かれたんです。
なのに…空っぽの貴方を作るなんて…。
「じぇいど…。」
「少なくても私はお断りです。そんな粗大ごみつくってみなさい。私がこの手で処分します。」
冷酷な声のもとは、それ以上響くことはなかった。
そして物音ひとつせずに、光のほうへと消えていく。
鼓動はまた1つになった。
枯れていた花に雫が滴り落ちる。
薔薇はまた生命を保ちだしている。
まだ枯れるわけにはいかないから。
「私は…貴方が好きなんです…。」
後日一輪の薔薇は陰湿な地下牢から姿をくらました。
兵をすぐに手配して、ジェイドは指名手配されることになった。
ただジェイドだけは顔色ひとつ変えず、笑って空を仰いだ。
「馬鹿ですね。貴方も。」
わたしはまだしねない。
あなたとのやくそくをかわすまで
あなたにころされるまでは…